2014-12-05 17:21:01
ブルーナといた夏 その43
10月20日、いつもの朝だと思っているでしょ、ブルーナ。
朝のお散歩も いつもより念入りに、倍くらいの距離を歩いた。
「ナインチェがさみしがってるから 帰ろうね。」
わかっているのか、家方向に向きを変えたのを嫌がらず
嬉々として歩いている。
ブルーナの保護責任者のT場さんご夫妻と 里親さんⅠ澤さん
ご夫妻が見えるのはお昼頃。
それまでに 室内ドッグランのいくらか体裁を整えて、と。
部屋の片づけもさることながら、すこしでもブルーナがナインチェと
遊んでいるところを見ていたい。
正攻法だと かなわないので ソファの下に潜りこんで 母親を
牽制、やりすごすと まだずるずると這い出して ブルーナに
とびかかっったり、すっかりしぼんだおっぱいにくいついたり。
それに怒って また ブルーナが追っかけて わたしの陰に
かくれたり。
少しもじっとしていない。
一緒に水を飲んいたかと思ったら また 走り出して...

予定通りにT場ご夫妻到着。
すぐに、Ⅰ澤さん。
2台の車が到着して 吠えたブルーナも 大好きな人ばかりなので
ご機嫌。
帰りの時間を考えて テキパキと 記録写真をとり、ナインチェは
cageにいれて 今までブルーナが使っていたものを Ⅰ澤さんの
車に積んで。
もう、お別れ。
運転席にⅠ澤さんのご主人。
後部座席には 念のためにリードをつけたままのブルーナ。
「ありがとうございます」
「よろしくおねがいします」
「じゃあ、ブルーナバイバイ」
大切なお預かりものをやっと 本来の持ち主にお渡しできた安堵。
瞬間、Ⅰ澤夫人が 車に乗り込もうとした隙間から ブルーナが
逃げ出してしまった。
野生児で瞬足のブルーナ、逃げだしたことはないけれど 本気に
なったら 追いつけない。
みんなで ひやっ、とした。
「やっちゃった」とⅠ澤夫人。
飛び出して、T場さんの横をすり抜け 庭に向かうブルーナ、
「~ブルーナ」キリリと わたしの方に顔を向けて 走り寄って
きた。
片膝をついたわたしのところにきて、嬉しそうに「ママがいないから
 車を降りてきたよ。」って。

リードを持ち直して、もう一度 Ⅰ澤さんのメルセデスに乗せて
「今度は飛び出さないように リード持っててください。
早く ドア閉めて。」
では、じゃあ、とみんな緊張が解けた わかれの挨拶をしている
間中 子犬の鳴き声がする。
「ナインチェ!」
みんなブルーナにかかりっきりにで cageにいれたナインチェが
家の中。
あやうく ナインチェが お忘れ物になるところ。
T場さんのご主人に 取りに行ってもらって メルセデスにのせて。
今度はほんとに 出発。

「終わりましたね。」
「本当にお疲れ様でした」
「今から、ハチと一休の里親さんのところですね。夕方までに
東京に帰れますか?」
「また、でんわします。」
「曲楽しみにしてます」そう、臼澤が この顛末をブルーナ狂詩曲に
しようという計画がある。
お披露目は 年内できるか、どうか。

人間ふたり、犬6匹の過密状態から、今、わたしひとり。
「うちが、ひろくて さみしく見える。」

             つづく・・・・・
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2014-12-05 16:32:12
ブルーナといた夏 その42
神楽坂で 用事のあった夫は 一足先に 山を下りた。
すっかり紅葉した別荘地の中を ブルーナと歩くのも
あと何日だろう。
結局、リードを引っ張るには 直せなかった。
甲虫を見つけて食べようと 下を向いて歩く癖も。
初めて会った時から 3か月、7倍速で生きている犬に
とって人間換算で、ほぼ2年を一緒に暮らした計算なのかな。
ピヨピヨなるおもちゃも 綱のひっぱりっこも覚えた。
一番肝心な 出産育児(前回はどういう状況だったか不明)
を経験した。
やせっぽちだったブルーナから 5匹の子が生まれて
みんな元気に育って、とってもいいママだね。
ブルーナがいてくれたから たいへんだったけど、
とっても楽しかったよ、ありがとうね。
もし、わたしの言っていることがわかるなら ひょんなことから
預かることになった保護犬がブルーナでよかった、って
伝えたい。

重い腰をあげて やっと 部屋の中の荷物をかたずけた。
狭いながらも 犬たちを部屋の中で、自由に走らせた。
こたつもしまって ホットカーペットの上で二匹うたたねして
目が覚めたら また ソファやテーブルの障害物競争。
わたしが 台所に立つと「何、何?」と 近づいて、
キャベツの芯を遣るとうれしそうに ナインチェに見せびらかして
食べる。
おトイレのしつけがまだ不完全なナインチェは 食べてしばらくは
cageの中。
排泄が済んだら また 狭いながらも室内ドッグラン。
ナインチェのときどきお漏らしも 想定内。

もっと 早く こうしてやりたかったのに、ごめんね。

夜は わたしもホットカーペットの上で掛布団をかけて眠った。
すぐ手の届くところに ブルーナがいる。
薄明かりの中 起き出して もっと近くに 顔がくっつきそうな
所まできて くるくると 自分の位置を決めて また眠った。
明日から 新しい暮らしがはじまるからね、ブルーナ。

       つづく・・・・・
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2014-12-05 16:00:06
ブルーナといた夏 その41
きょろきょろと 室内を見渡しながら テーブルに案内
されて 不安と車酔いのため よだれでべとべとになった
ふうちゃんを抱いたまま 腰を下ろす。
s籐夫人が お茶を淹れてくださっている間、
「せっかく、シーザー見てたのに~。触らない、話しかけない、
目を見ない、でしょ。」
お気に入りのカリスマドッグトレーナーのシーザーの番組を
この夏はずーと見っぱなし。
トラブルを抱えた犬も このドッブトレーナーのシーザーに
かかれば 問題解決、どんな子もよい犬になるのだ。
世界が自分中心の犬には まず、相手をしないこと、威厳を
持った態度で接すること、など 教訓満載。
新入りの子犬を抱えた私たちは 犬たちの注目の的、だから
まずは 「無視」という 対処をする方が正解と思えた。
なのに。
「そうだったね。忘れてた。ごめんね。俺だめだね。」と、
反省しきり。
「駄目じゃないけど。」

「今まで、大変でしたね。ご苦労様」
「最後に、ブルーナと長女を10月20日に」
「ブルーナは あなたたちを親だと思っているの。また引き離される
のだから、しばらくは 新しい飼い主さんが大変かもね」
「あっでも、ブルーナは もらって下さる方が大好きで初めて会った時
から、特別でした。ご主人には、臼澤よりなついているくらいで。」
「子犬と一緒に母親ももらって下さるなんてよかったわね。
でも、言っておいてあげないと子供は 何をやっても可愛いので
許されてしまう。母親より自分が偉いと思ってしまわないように、
一番はブルーナをって。」
三か月のわたしたちの労をねぎらいながら、窓から見える庭では
たくさんの成犬が走り回っている。
子犬5匹より体力が要りそうだ。

「わたしは、この子たちから元気をもらっているの。何年も
風邪もひいたことがない。」

里親さんにお渡しする誓約書、食べなれたパピーフードと
ブルーナの臭いのストール(男の子だからグレー)を託して暇乞い。
私たちに、おいしい手土産までいただいて、門のところまで
犬たちの中を引率していただく。
「は~い、はいはい。よ~しよしよし。はいはい。」
夫はカーディガンの端を何匹かの犬に 引っ張られて
よろけている。
「ちょっと 駄目かも。(ミュート)」

          つづく・・・・
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2014-12-04 07:16:25
ブルーナといた夏 その40
二番目に生まれた 一番大きな男のふうちゃんを
s籐さんのところへ ふたりでお届けした。
始めて伺うそのお屋敷は、1000坪の敷地が
フェンスで囲まれたドッグランで その中に
母屋と 犬猫用の家(わが家より大きい)があった。

犬たちが飛び出さないように 二重の扉のゲートの前まで
迎えに出てきてくださっていた。
ゴールデンレトリバーの愛犬家として知られたs籐
さんご夫妻も そのほとんどをお見送り、今は
保護犬のブルドッグ系が20頭ほど。

来訪者に興味津々のブルドッグたちの中、今日は小さく見える
ふうちゃんを抱いて、母屋玄関まで辿りつかねばならない。
ゲートから 玄関まで数10メートル。
「黙って歩いて行ってね。」
犬たちの吠える声に負けないs籐夫人の声。
「は~い、はいはい。よ~しよしよし。はいはいはい」と夫。
犬たちに愛そうよく歩こうとして 里親さんにお渡しする
もの一式が入った手提げを持った夫にかわるがわる体当たりする
犬たち。
そのたびに「は~い、はい。よ~し、よし」
とよろけながらなんとか玄関の扉の中に。

玄関が わが家の一部屋より広い。


          つづく・・・・・
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2014-12-04 06:54:14
ブルーナといた夏その39
60日目の朝、いっちゃんをものずきんさんご夫妻がお迎えに。
一日も早くの希望を なんとか60日まで待っていただいた。

三才のブルーナだって毎日抱きしめたいほど可愛いけれど
日に日に成長していく子犬の可愛さは格別。
昨日できなかったことが今日できるようになって、見るもの
なんでも新しく興味津々。
五番目に生まれたいっちゃんは いまだに一番おチビだけれど
幼顔で要領がいい。

朝一番で 引き取りにいらっしゃるということで ブルーナの
散歩の後は ずっといっちゃんを抱いていた。

ひいちゃんあらためナインチェもcageから出して出してと
騒いでいるが 今日はいっちゃんとお別れの日だから...

お渡しする使っていたバスタオルや ブルーナの臭いの着いた
ストール(女の子なので赤い着物用のショール)を
紙袋にいれ玄関先で待つ。

刻々と約束の時間が近づく、s籐夫人から携帯にtel。
「お疲れ様でした。今日で60日ですね。大変だったわね。
でも、いいことされたんですよ。みんないい子に育って、
うす沢さんのおかげ、お疲れ様でした。」
「はい、ありがとうございます。20日にブルーナと一番上の子を」
と言いながら、いっちゃんを抱きしめる手が震える。
手だけでなく、体も ガタガタと震えて涙がでてきて。
心細げに見上げるいっちゃんに しずくがおちる。
背後では 玄関先に立つわたしにブルーナが叫ぶ。
「わたしのあかちゃん、連れて行かないで。わたしのあかちゃん。」と
言っているように、今朝はどうしても聞こえる。
私が出かけようとするといつも「置いて行かないで、一緒に
連れてって」という 甘えん坊のブルーナの声が 子供と
引き離される母犬の悲痛な叫びに。
耐えかねて、いっちゃんを抱いたまま 玄関を出て 道の
真ん中で ものずきんさんを待つ。

約束の時間ぴったりに、奥さんの赤い車が角を曲がってやってきた。
寒い中、外で待っていたわたしに驚いて、
「遅くなりました。遅れましたか?すみません。あっ、おはようございます。」
「え、おはようございます。いえ、時間通りですよ。ブルーナが
あれだから、今、出てきたところなの」
まだ、ブルーナが吠えている。
耕也さんの大きい手の中に 小っちゃいいっちゃんをお渡しして
「よろしくおねがいします」
いっちゃんは 今までも何度も高橋さんに抱かれているけれど
テラス以外の外気は初めてなので やはりちょっと不安げ。
しかし、大事そうに抱える耕也さんの姿は わたしを安心させた。

       つづく・・・・・
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